
スマホを見ていると起業塾の広告がすごく多くて気になります。
月商300万をコンスタントに売り上げているというお客様の声があるんですが・・・実際に可能なんでしょうか?



実際に起業塾に通っていた私が、実話も交えて解説しますね!
起業をスタートすると、世の中にあふれる「起業塾」の情報の多さに驚かれる方が多いと思います。
私は普段から起業塾の広告のリサーチもしているので、スマホのゲームをしていても、起業塾の広告が出てくるくらいです。
「初月で月商7桁達成!」のみならず、
- 安定して300万円
- 売上500万円達成
など、天文学的な数字が出てきてビックリされる方も多いかと思います。
これだけの売上が上がってうらやましいな・・・と単純に思うのではなく、その『数字の意味』をしっかりと考えることをオススメします。
年商1200万円のリアルな実態
私がサポートしている、あるメンタルセラピストさんは、起業塾時代の最高月商が200万円でした。
こっそり内情を話すと、実は売上が0の月もあったりもしたんですが、年商ベースでは1200万円を超えていました。
では、月平均で100万円を稼いでいたとして、どれくらいのお客様がいたのか?計算をしてみましょう。
稼げば稼ぐほど”時間”が無くなる
彼女の商品にはプランが3つあり、松竹梅の”竹”の商品が25万円でした。
仮に、”竹”だけが売れたとすると、100万円を稼ぐには毎月4人の新規契約が必要になります。
”竹”は6ヶ月のコース。
1月から【新規契約が毎月4件ずつ取れた】とすると、累計のお客様の数は下記のようになります。
1月→4人
2月→8人
3月→12人
4月→16人
5月→20人
6月→24人
6月で1月に成約した4人の契約が修了するので、24→20人に減り、7月にさらに4人と契約すると・・・
7月→24人
8月→24人
・・・・
こんな感じで、MAX24人の状態がずっと続くことになります。
実際は月商200万円を達成した月もあったので、新規が8人増えた月もありました。
1回のセッションに約3時間をかけていたので、どんなに頑張っても1日2コマのセッションが限度。
とは言え、彼女の都合のいい時間だけに予約が入る訳ではないので、早朝や深夜に仕事が入ることもありました。
さらに、新規集客のためのメルマガ配信、小冊子作成、応援依頼、起業塾への参加、メンターへの報告業務・・・お試し商品の申込みが入れば、それにも3時間のセッション枠を設けなければいけない・・・。


稼げはするけれど、休みがまったく無いんですね。
「100万稼げるんだから文句言うな!」と聞こえてきそうですが、翌月に売上がある保証は無く、常にプレッシャーにさらされながら、集客とセッションをこなさなければいけません。
さらにのしかかる家事と育児・・・。
忙しさが極限の状態になると、実は誰も幸せにはなれません。
キャパオーバー集客のしわ寄せを食らうのは?
売上だけを求めて、自分のキャパシティを超える集客をすれば、必ずどこかにしわ寄せが来ます。
同様の無理な集客をしていた人は、
- 予約をたくさん入れすぎて、お客様の扱いがぞんざいになる
- 仕事が忙しすぎて、家事と育児が回らなくなる
- どれも完璧にこなそうとして、自分自身が潰れる
お客様、子どもや家族、自分。
いずれかが駄目になってしまい、疲弊しきってしまう・・・というパターンがとても多かったです。
月商最優先で訪れる末路
私がかつて在籍していた起業塾では、忙しすぎて手が回らなくなったら「自分の代わりに売ってくれる人を探せばいい」という考えのところでした。
自分のメソッドを伝授して、売上が上がったらその内の3割をもらうという仕組みで、「将来仕事になるかもしれない」という期待値が高い分、50万〜高単価で売れます。
ですから、一時的に売上は上がります。
しかし、ここには大きな落とし穴がありました。
- 教える体制が整う前に売ってしまうから、さらに忙しくなる
- お金を稼げるまで人を育てることは実はめちゃくちゃ難しい
私自身、3Dプリンターの資格を売る認定講師制度をつくっていますが、認定講師が商品を売る時に、自分の労力が最小限になるよう、仕組みやマニュアルを作り込んでいます。
まずは【完璧に再現できる仕組み】というものを作らないと、ほとんどの人が稼げずに終わってしまうんですね。
結局人を育てる時間が無駄になるということです。
「お金をもらったのに稼がせてあげられなかった」という自責の念で、起業塾をリタイアする人を何人も見てきました。
忙しくなりすぎる本当の原因は?
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
それは、将来こうなることを予想しながら、労力を減らす仕組みを構築しなかったことにあると思います。
先ほどのメンタルセラピストさんを例に挙げるなら、
- セッションの予約を自動化する
- グループでできるカリキュラムをつくる
- 別のキャッシュポイントをつくる(動画販売やサブスク)
- 認定講師のマニュアルをつくる
- かかる時間を外注で賄う
- 自動で集客できる仕組みをつくる(広告やHPなど)
など、考えられる対策はたくさんあったはずです。
もちろん毎月の支払いもあり、焦りもあるでしょう。
けれども、焦っている時ほど結果は出づらく、懸命に集客をしても、売上が0の月も何度も続いた時もありました。
その労力を上記に費やせばな・・・と、彼女を見ながら何度思ったか分かりません。
にも関わらず、なぜ仕組みを構築できなかったのでしょうか?
それは、月の売上だけを最優先したからです。
なぜ最優先するのか?
それは、起業塾やメンターとの関わりが、大いに関係していると思います。
起業塾は、良くも悪くも稼げる人がえらいという世界です。
たくさん稼げば称賛され、周りの憧れを集められます。
多くの人が在籍している以上「負けたくない」とか「落ちこぼれたくない」と思うでしょう。
それがほどよいブースターとなればいいのですが、ドーピングのように「月商最優先!」という状態になってしまうと、上記のような悲劇を招くことになります。



起業塾ってなんだか怖そう・・・!



いえいえそんなことはないんですよ!
売るための基礎体力をつけるにはすごく良い場所だと思います。起業家仲間もたくさんできますしね。
ただ塾にも様々なカラーがあるので、自分に合うところを慎重に選ぶといいと思いますよ!
起業塾は星の数ほどあり、今立っている「ステージ」によって合う合わないがあります。
たとえば、広告をバンバン打っているある有名な塾に在籍したことがある女性は、
「起業超初心者の時に入塾したけど全然上手くいかなかった。当時の私にはレベルが高すぎた。今ならもっと上手くやれたと思う」という話をしていました。
先ほどのメンタルセラピストさんは、そろそろ「外注やスタッフを上手くつかってチームで集客している」ところを検討した方がいいかもしれません。(チーム化は個人的な見解だと、男性メンターの方が上手いと思います)
まとめ
月商何百万!という数字は、あなたの目にはとても華々しくうつるでしょう。
しかし、「おひとり様ビジネス」には、稼げる金額には限界があり、目先の売上だけにとらわれると必ず動きが止まります。
- ひとりで稼げる金額には限界がある
- それ以上稼ぐには「再現性100%のマニュアル」や「チーム化」、「システムの見直し」が必要
- 無理な集客は結果的に自分も疲弊し、相手の信頼も失う
ことは覚えておきたいですね。